トミーとの思い出を、ただ振り返ってる。
私が10代のころに書いた手紙を20年近く持っててくれてた。
その手紙には、私のコンプレックスや、勇気や、情熱や、
おそらく自分の事だけを書いていた。
私は、私のことを誰かに知って欲しかったんだと思う。
トミーはその手紙を大事に持っていてくれた。
そして、20年たってその住所から、今の私を探し出してくれたのだった。
トミーは変わらず、私を妹のように迎えてくれた。
私はトミーに言いたい放題だった。
トミーはそれをなだめるわけでもなく、否定もしないで
「あかねのいうとおり」 「あかねは面白いね」
とでもいうように笑いながら聞いてた。確かに妹だった。
トミーともっと一緒に過ごすんだった。
あんなお兄ちゃん、もう現れないから、もっと兄妹ごっこしておくんだった。
トミーのこと、素直に「お兄ちゃん」って頼ればよかった。